当科は全身性エリテマトーデスなどの膠原病および関節リウマチをはじめとする炎症性関節疾患を専門とする診療科です
膠原病は皮膚、関節、筋などの炎症に加え、さらに全身の様々な臓器に病変をきたす疾患で、多くの専門医師が集る総合病院で最も力を発揮する分野でもあります。関連する種々の診療科と連携をとりながら、それらを統合して全身の状態を把握し、治療方針を決定し遂行するのが膠原病専門医の役割です。これまではグルココルチコイド(副腎皮質ステロイド剤)が治療の中心でしたが、免疫抑制剤や生物学的製剤などの治療も進歩し、より多くの治療法が選択できるようになっています。それに伴い、グルココルチコイドの使用量は減少し、その副作用も軽減されるようになってきました。
関節リウマチについても、近年生物学的製剤や分子標的型の抗リウマチ剤が数多く導入され、より良好な疾患のコントロールが可能となり、患者さんの身体機能や生活の質が大幅に改善しています。また膠原病疾患と同様にグルココルチコイドの投与は少なくなってきました。当科でも積極的にこれらの新しい治療の導入を行っています。
当院は佐賀県の膠原病診療の中核を担う病院であり、他の関連施設と連携を取りながら診療をしています。
主な対象疾患
膠原病
全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、血管炎症候群、混合性結合組織病、成人スチル病、 ベーチェット病、シェーグレン症候群、IgG4関連疾患、抗リン脂質抗体症候群、など
炎症性関節疾患
関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、RS3PE症候群、など
特色
1. 2021年度の入院患者さんの内訳.
全身性エリテマトーデス | 24 | 関節リウマチ | 20 | |||
全身性強皮症 | 19 | 多発血管炎性肉芽腫症 | 13 | |||
顕微鏡的多発血管炎 | 13 | 皮膚筋炎・多発性筋炎 | 12 | |||
シェーグレン症候群 | 9 | 成人発症スチル病 | 5 | |||
リウマチ性多発筋痛症 | 4 | 悪性関節リウマチ | 4 | |||
IgG4関連疾患 | 4 | 強直性脊椎炎 | 4 | |||
抗ARS抗体症候群 | 4 | その他の関節炎 | 3 | |||
混合性結合組織病 | 2 | 巨細胞性動脈炎 | 2 |
2. 他科との合同カンファレンスを積極的に行なっています.
・皮膚科合同新患カンファレンス
・整形外科合同関節炎カンファレンス
・眼科合同ぶどう膜炎カンファレンス
3. 臨床研究と基礎研究を積極的に行なっています.
成人スチル病の分類基準は当科を中心に作成され、世界的に広く使われており、現在も研究を続けています. その他、関節リウマチ・膠原病・血管炎でも臨床および基礎の両面からのアプローチで研究を行っています.
厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)自己免疫疾患に関する調査研究 難病プラットフォームレジストリに参加しています
主な関連施設
佐賀県医療センター好生館(佐賀市)
富士大和温泉病院(佐賀市)
佐賀記念病院(佐賀市)
高邦会高木病院(福岡県大川市)
済生会唐津病院(唐津市)
ひらまつ病院(小城市)
鶴田運動機能回復クリニック(小城市)
織田病院(鹿島市)
山元記念病院(伊万里市)
伊万里有田共立病院(西松浦郡有田町)
